お花に関するワンポイントアドバイス,私の思うこと,

花を入れる順番はどうやって決めるの?

 夏至も近くなり、日の長さを日々実感しています、梅雨の晴れ間の日の長さを楽しんでいます。

 

私、センスがないんです!

 

 今日は作品作りの際のお花を入れる順番についてご紹介します。

 

レッスンに初めて来られた時によく聞く言葉が

 

「私、センスないんです。大丈夫でしょうか?」

 

 この言葉をお聞きしたときには、「センスは、磨いていくものなので一緒に磨いていきましょうね。誰でも初めてから始まります。」とお伝えしています。ですが、話をよく聞いてみるとこれはスタイル(作品の形)をどう作っていくかわからないという意味で話されている方が多いように感じます。

 

 花は、バランスです。いろいろなバランスがありますが、花の色、形、花器、作るスタイル、置く場所等のすべてのバランスが取れた時に多くの人が美しいと感じる作品ができていると考えます。それが、センスの良い花といわれるものと思います。初めてからセンス良く入れられる方は、写真やデザインを学ばれている方や仕事でCAD等を使っていらっしゃる方を除いてはそんなにいらっしゃいません。

 

 一つ一つのスタイルを何回か作っていくうちに先ほどのバランスが少しずつ感覚として分かっていき、花を入れるセンスが身についていくのです。

 

 

長いものから順に入れるとバランスがとりやすい

 

 今回は、手で束ねるブーケ以外のコンポジション(オアシスに挿して作る作品)についてお話します。

 どんなスタイルに作るかにもよりますが、 作るスタイルの一番長いものから入れていくのが基本です。すべての花の長さを同じように入れるスタイルの場合は、主役の花(フォーカルポイントと言われています)一番見せたいものを一番に入れます。そして、アウトライン(外郭)をとって、アウトラインの空間の中で花を入れていくと形が崩れません。

 

 こちらは長方形の形の中に収まるように花を入れたスタイルです。透け感が出てピンクとグリーンのグラデーションがカワイイを卒業した大人の雰囲気です。

 

使った花は、宿根スイートピー、ラン、バフィオ、シクラメン。

 

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 給水スポンジは使わずに花器にそのまま入れていますが、まずは高さを決めるために一番高いものから入れています。これが決まると作品の全体の大きさが見えてきますね。

 

 今回使っている花器は、一本のチューブが連結したもので一つのチューブにはたくさんの花が入りません。投げ入れで入れるので水が傷みにくいように花器の中に葉が入らないように取り除いています。

 

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 ひな壇のように順番に高さを下げて花を入れていきます。頭の軽いものは高く、頭の重いものを低く入れていくとバランスよく入ります。

 

 宿根スイートピーのつぼみや先が蕾になっているラン等の頭の小さい(軽い)ものを高く使い、バフィオは頭が大きいので低く使っています。

頭の小さいものからだんだんに高さを下げていき、最後に一番頭の大きいバフィオを入れます。

 

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 花器の口が見えないように一番低い花を入れる前にシクラメンの葉を入れて花器の口を隠します。そして、一番最後にバフィオを入れて完成です。

 

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 例えばエッフェル塔の一番高いところは先がとんがって小さく低いところはどっしりとして安定感がありますね。花の入れ方もエッフェル塔の構造と同じ考え方なのです。忘れそうになったらエッフェル塔の形を思い出してみてくださいね。

 

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